もじゃもじゃペーター

『ママがおばけになっちゃった!』は「子どもに読ませたくない! 欺瞞だらけの絵本作家による脅しだらけの最低絵本」
って、そこまで言わなくてもいいだろ。

「〈恐怖心で子どもを従わせる〉という、鬼やおばけを使ったしつけと変わりません」という批判に反論。『もじゃもじゃペーター』という本150年以上子どもに読み継がれている本があって、それがまさに〈恐怖心で子どもを従わせる〉意図が見え見えの作品なのです。
なにせあーた、おやゆびしゃぶりのコンラートは、仕立て屋さん(ドイツ語では切る人という意味もある)に親指をジョキリと切り取られるし、親の言いつけをまもらず火遊びをしたハウリンヒェンは燃えて灰になってしまうんだから。ところがうちの娘をはじめ、この恐ろしい本を読みたがる子は多い。下手すりゃトラウマになりそうな物語なのに。しかも、ですよ。この作品の作者ハインリッヒ・ホフマンは精神科医であり、わが子へのプレゼントとしてこの本を自作したっていうんだから。私はこの事実を知ったとき、頭が混乱してしまいました。
一応、この混乱の収束は、大人の秩序に組み込まれない登場人物に子どもは共感し、親はしつけの本としての効果に期待するという、ぜんぜん違ったポイントで両者が評価しているということに落ち着きましたです。
でも、〈恐怖心で子どもを従わせる〉のがいかんのなら、なまはげはどうなんね。今や絶滅危惧種やんか。

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